木を使っていれば確かに木の家ですが、私どもは「木のよさを発揮できるような方法を得て建て主さんのところに運ばれた木によって出来上がった家」を「木の家」と呼んでいます。
そのためには、産地が分かっていること、乾燥方法が分かっていること、強度の確認ができていることを最初の条件としています。
「日本の木は高い」と思っている方は多いのではないでしょうか。
戦後70年の間、林業に携わる方が急激減り結果的に外材があふれてしまいましたが、実は国産材そのものの値段はとても安いのです。
では何故高いと言われているのかー。
山から住宅にまでの木の流通の多くは、実は「人件費」です。
木の流通は、一例として、山主⇒木材業者⇒流通業者⇒木材問屋⇒工務店⇒大工さん⇒建て主さん、というように多くの職種のひとが関わり、その都度経費が発生しています。
また、建て主さんは木のことは大工さん任せ、大工さんも工務店や問屋任せで、どこのどのような木なのか分からずに使っているのが多くの現状です。
食べ物に敏感な方も、木の産地や乾燥方法まで気にする人はそれほど多くはありません。どのような方々の手を介して、どのような経費がかかっているか分からず、結果的に「国産材は高い」と思っている方が多いようです。
残念なことにこの流れはいまだブラックボックスのようになっていているようです。
私どもは山の木材業者さんから直接工務店の大工さんに材料を提供できるルートを確保しており、中間マージンを取り省くことによって、経費の削減と木の産地を明確にした材料選定をしています。
林業家の方には、このように直接設計者を介して建て主さんや大工さんに積極的に木材を提供している方々も多くいます。
また、各都道府県では国産材や県産材を使うことによる補助金制度を設けているところもありますので、これらを利用することもコスト減の調整になります。