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木を知る

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木の特性を知る

日本の木の代表的な杉の木を前提にお話しします。

木は伐採れた時は水をいっぱい含んでいます。
そのまま使うと乾燥する過程で割れたり曲がったりするので、適度に乾燥してから使うことになっています。
この乾燥の仕方が、木の性能をおおきく左右します。


通常行われている乾燥方法は、高温乾燥といいおおむね120℃で24時間乾燥させる方法です。
この乾燥方法の利点は木の表面を固めるため見た目にきれいです。ところが急激に乾燥させるためと高温のため内部が割れてきます。
これは外からは見えませんが断面を見ると良く分かります。木の接合は仕口・継ぎ手と呼ばれますが、
この加工は木の内部を残して加工します。結果的に一番大切な内部を一番弱くしてしまう。
また乾燥を強く速く行うため気の持っている油成分と良い香りも焼いてしまいます。
人間で言えば「骨粗しょう症」のような現象になりがちです。

高温乾燥以外に、自然のままの天然乾燥、中温乾燥、低温乾燥、乾燥釜の気圧を下げて低い温度に沸点を定めた乾燥などなどなど、乾燥方法は進化中ですが、すくなくても構造材の高温乾燥は私どもの事務所では採用不可なのです。

木を切るのは自然破壊?

木は健康?

昔から、木は心身によい影響を与えると言われています。

特に不眠症を改善する効果が高いとされています。
それは、木が心や体に与えるストレスを軽減してくれることで安眠しやすい身体になるということです。
結果的により良い睡眠を得ることができる健康な住いになってきます。

木は鉄より強い?

強度の話です。鉄の比重はおおむね8、木の比重は樹種によって違いはありますが1を超えるものは黒檀の1.3だけでしょう。

ちなみに私たちになじみのある桧や杉はおおむね0.4です。重さあたり=体積あたりの強度を比べとこの比重差で木のほうが強い結果になります。

ただし、木が鉄と同じ強度を得るためには多くの体積を必要としますのでその体積分で鉄より弱いと思われているようです。
少ない体積で強度を得るためには鉄は有効だと思いますが、その重さで自分自身を支えなければならないため建物全体が重くなるため、基礎の大きさが大きくなり構造コストはアップしてきます。

木は燃えない?

太い木は燃え尽きない、というのがもう少し正確な表現です。
①燃える温度 ②酸素 ③燃える物(燃える燃料となる物)が3つ揃っていなければ物は燃えず、火事にはなりません。

小学生のときに理科実験したことを思い出せば簡単にわかると思いますが、ビーカーにマッチ棒を摺って入れて蓋をすると直ぐに消える、そのままにしておくとやがて燃え尽きて消える、水を掛けて温度を下げると消える。火事もまさしくこのとおりです。
建築では「燃えしろ設計」という設計手法や「燃え止まり」という考え方があります。
「燃えしろ設計」とは、ある一定の時間、柱や梁が燃えても、残った部分の木の部分の太さによってある一定の強度を保てる太さがあるため、人の避難時間を稼げる、ということです。耐火性能は30分耐火建築、45分耐火建築、1時間耐火というように建物の用途と階数で耐火性能を求められています。
木の燃えるスピードは1分間におおむね8ミリ平均です。
そこで30分耐火建築は必要強度の太さに外周30ミリ太く設計するという方法です。
「燃えどまり」とは、木は燃えることによって炭なります。この炭が木の表面にまとわり付き、燃える表面を覆ってしまい燃えたい表面にコーティングするような現象を起こして酸素に触れなくなって火が消える現象です。
結果的に太い木は自分で自分の消化活動をしていることになります。古い民家などで火事が起きたとき、梁や柱の骨組みが残っている写真などをご覧になった方も多いでしょう。
ということで太い木は燃え尽きないという現象を、「木は燃えない」というタイトルにしました。
ちなみに火事は1250℃ぐらいまで温度が上がり、鉄やアルミは1000℃以下で強度をなくしてしまいます。
つまり太い木は鉄やアルミより火事に強いとも言えます。

木を切るのは自然破壊?
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